Python 3における浮動小数点型の誤差と正確な表現方法


浮動小数点型における誤差の原因は、コンピュータが2進数で数値を表現するために生じる丸め誤差です。10進数で正確な表現ができる数値(例: 0.1)は、2進数で有限桁数で表現することができないため、近似されることになります。

以下に、浮動小数点型の誤差を回避するためのいくつかの方法とコード例を示します。

  1. Decimalモジュールの使用: Decimalモジュールは、高精度な十進数演算をサポートしています。以下は、0.1を正確に表現するDecimal型の例です。
from decimal import Decimal
x = Decimal('0.1')
print(x)  # Output: 0.1
  1. Fractionモジュールの使用: Fractionモジュールは、分数を表現するためのものです。以下は、0.1を正確に表現するFraction型の例です。
from fractions import Fraction
x = Fraction(1, 10)
print(x)  # Output: 1/10
  1. round関数の使用: round関数を使用して、浮動小数点数を指定した桁数に丸めることもできます。以下は、0.1を小数点以下1桁に丸める例です。
x = round(0.1, 1)
print(x)  # Output: 0.1

これらの方法を使用することで、浮動小数点型の誤差を回避し、数値を正確に表現することができます。ただし、使用する方法は具体的な要件に応じて選択する必要があります。

以上が、Python 3における浮動小数点型の誤差の原因と正確な表現方法についての解説です。これにより、正確な数値表現を必要とするプログラムの開発に役立てることができるでしょう。