セキュリティグループは、インスタンスレベルでのファイアウォールのような役割を果たします。セキュリティグループは、インバウンドおよびアウトバウンドのトラフィックを制御するためのルールを定義します。セキュリティグループのルールは、プロトコル、ポート範囲、送信元IPアドレスなどの条件に基づいて設定されます。セキュリティグループはステートフルなルールを持ち、許可されたトラフィックに対する応答トラフィックを自動的に許可します。異常なトラフィックはブロックされます。セキュリティグループは、インスタンスごとに適用され、セキュリティグループのルールは優先順位に従って評価されます。
一方、ACLはサブネットレベルでのネットワークトラフィックの制御を行います。ACLはサブネット内のすべてのインスタンスに適用されるセキュリティルールのセットです。ACLはインバウンドおよびアウトバウンドのトラフィックに対して、サブネットに対して適用されるルールを定義します。ACLのルールは、セキュリティグループのルールと同様に、プロトコル、ポート範囲、送信元および送信先のIPアドレスなどの条件に基づいて設定されます。しかし、ACLはステートレスなルールを持ち、許可されたトラフィックに対する応答トラフィックを自動的に許可しません。従って、ACLでは要求と応答のトラフィックを別々に設定する必要があります。ACLは順番に評価され、最初に一致するルールが適用されます。
セキュリティグループとACLの違いを簡単にまとめると以下のようになります:
- セキュリティグループはインスタンスレベルで適用され、ACLはサブネットレベルで適用される。
- セキュリティグループはステートフルなルールを持ち、ACLはステートレスなルールを持つ。
- セキュリティグループは優先順位に従って評価され、最初に一致するルールが適用される。ACLは順番に評価され、最初に一致するルールが適用される。
- セキュリティグループはインバウンドおよびアウトバウンドのトラフィックを制御する。ACLもインバウンドおよびアウトバウンドのトラフィックを制御するが、要求と応答のトラフィックを別々に設定する必要がある。
この記事では、AWS VPCにおけるセキュリティグループとACLの違いについて説明しました。セキュリティグループとACLはそれぞれ異なるレベルでネットワークトラフィックを制御するためのツールです。適切なセキュリティグループとACLの設定は、VPC内のネットワークセキュリティを確保するために重要です。