Command Query Responsibility Segregation (CQRS) の概要と実装方法


CQRS の主なアイデアは、読み取り操作(クエリ)と書き込み操作(コマンド)を異なる方法で処理することです。これにより、システムは読み取りと書き込みの要件に応じて最適な方法で最適化できます。

CQRS の実装にはいくつかの一般的なパターンがあります。ここでは、いくつかのシンプルで簡単な方法とコード例を紹介します。

  1. コマンドとクエリの分離: CQRS では、コマンドとクエリを異なるメソッドやクラスで処理します。例えば、コマンドを処理するための "executeCommand" メソッドと、クエリを処理するための "executeQuery" メソッドを実装します。
public class MyService {
    public void executeCommand(Command command) {
        // コマンドの処理ロジック
    }
    public Result executeQuery(Query query) {
        // クエリの処理ロジック
        return result;
    }
}
  1. ドメインイベントの使用: CQRS では、コマンドの実行結果やシステム内の重要な変更を表すドメインイベントを活用します。これにより、異なる部分でイベントを購読し、応答することができます。
public class OrderService {
    public void placeOrder(PlaceOrderCommand command) {
        // 注文の処理ロジック
        // 注文が正常に完了したことを示すイベントを発行する
        OrderPlacedEvent event = new OrderPlacedEvent(orderId);
        eventBus.publish(event);
    }
}
public class EmailService {
    public void sendOrderConfirmation(OrderPlacedEvent event) {
        // メールの送信処理
    }
}
  1. イベントソーシングの導入: CQRS では、イベントソーシングと呼ばれる手法を使用して、システムの状態をイベントのシーケンスとして保存します。これにより、システムの状態を再構築したり、履歴を参照したりすることができます。
public class EventStore {
    public void saveEvent(DomainEvent event) {
        // イベントの保存処理
    }
    public List<DomainEvent> getEventsByAggregateId(String aggregateId) {
        // 指定した集約IDに関連するイベントの取得処理
        return events;
    }
}

以上が、CQRS の概要と実装方法の一部です。このアーキテクチャを使うことで、大規模で複雑なシステムをより柔軟かつ拡張可能にすることができます。さらに、イベント駆動のパターンやドメイン駆動設計との組み合わせも有効です。