Javaにおけるデッドロックとその解決方法


デッドロックの原因は、一般的に以下の4つの条件が同時に成立することです:

  1. 相互排除 (Mutual Exclusion): リソースは排他的に1つのスレッドによって使用されます。
  2. 待ち合わせ (Hold and Wait): スレッドがすでにリソースを保持している状態で、別のリソースを要求する場合、そのスレッドは要求が満たされるまで待ちます。
  3. 無限待ち (No Preemption): スレッドが保持しているリソースを他のスレッドが強制的に奪い取ることはできません。
  4. 循環待ち (Circular Wait): リソースを要求するスレッドの集合が循環的な依存関係を持つ場合、デッドロックが発生します。

デッドロックの解決方法には、以下のようなアプローチがあります:

  1. デッドロックの予防: デッドロックが発生する条件を回避することで、デッドロックを予防します。条件の1つ以上を緩和することで、デッドロックの発生を防ぐことができます。

  2. デッドロックの検出: デッドロックが発生した場合に、それを検出する手段を導入します。検出されたデッドロックは、適切な処理を行って回復させることができます。

  3. デッドロックの回避: デッドロックの発生を回避するために、スレッドのリソース要求の順序を制御します。リソースを要求する際に特定の順序を守ることで、デッドロックを回避できる場合があります。

  4. デッドロックの解決: デッドロックが発生した場合に、それを解決する方法を見つけます。解決策の1つは、デッドロックが発生した場合にスレッドを強制的に終了させることですが、この方法は注意が必要です。

デッドロックの例として、以下のようなJavaコードを考えてみましょう:

public class DeadlockExample {
    private static Object resource1 = new Object();
    private static Object resource2 = new Object();
    public static void main(String[] args) {
        Thread thread1 = new Thread(() -> {
            synchronized (resource1) {
                System.out.println("Thread 1: Holding resource 1...");
                try {
                    Thread.sleep(100);
                } catch (InterruptedException e) {
                    e.printStackTrace();
                }
                synchronized (resource2) {
                    System.out.println("Thread 1: Holding resource 1 and resource 2...");
                }
            }
        });
        Thread thread2 = new Thread(() -> {
            synchronized (resource2) {
                System.out.println("Thread 2: Holding resource 2...");
                try {
                    Thread.sleep(100);
                } catch (InterruptedException e) {
                    e.printStackTrace();
                }
synchronized (resource1) {
                    System.out.println("Thread 2: Holding resource 2 and resource 1...");
                }
            }
        });
        thread1.start();
        thread2.start();
    }
}

上記のコードでは、resource1resource2という2つのリソースを使用しています。thread1resource1を取得し、thread2resource2を取得します。しかし、thread1resource2を要求し、thread2resource1を要求するため、デッドロックが発生します。

デッドロックを回避するために、以下の改善策を考慮してください:

  1. リソースの要求順序の統一: スレッドがリソースを要求する順序を統一することで、デッドロックを回避できます。例えば、thread1thread2でリソースの要求順序を統一すると、デッドロックは発生しません。

  2. タイムアウト処理の導入: リソースの取得にタイムアウトを設定し、一定時間内にリソースを取得できなかった場合には別の処理を行うようにします。これにより、無限待ちに陥ることを防ぐことができます。

  3. リソースの粗粒度化: リソースをより大きな単位で管理することで、デッドロックの発生を減らすことができます。例えば、1つのリソースを共有する代わりに、複数のスレッドで使用されるリソースの数を減らすことができます。