デッドロックの原因: デッドロックは、次の条件が同時に成立することで発生します:
- 相互排除: リソースは排他的に使用されるため、同時に複数のスレッドやプロセスが同じリソースを保持することはできません。
- 保持待ち: スレッドやプロセスは、他のリソースを保持している間、別のリソースの取得を待ちます。
- 資源の非分割可能性: リソースは分割不可能な単位であり、他のスレッドやプロセスと共有することができません。
- 循環待ち: スレッドやプロセスの間で循環的な依存関係が存在し、互いにリソースを待ち合っています。
デッドロックの例: 以下は、Javaのコード例でデッドロックが発生する状況です:
public class DeadlockExample {
private static Object resource1 = new Object();
private static Object resource2 = new Object();
public static void main(String[] args) {
Thread thread1 = new Thread(() -> {
synchronized (resource1) {
System.out.println("Thread 1: Holding resource 1...");
try {
Thread.sleep(100);
} catch (InterruptedException e) {
e.printStackTrace();
}
synchronized (resource2) {
System.out.println("Thread 1: Holding resource 1 and resource 2...");
}
}
});
Thread thread2 = new Thread(() -> {
synchronized (resource2) {
System.out.println("Thread 2: Holding resource 2...");
try {
Thread.sleep(100);
} catch (InterruptedException e) {
e.printStackTrace();
}
synchronized (resource1) {
System.out.println("Thread 2: Holding resource 1 and resource 2...");
}
}
});
thread1.start();
thread2.start();
}
}
上記のコードでは、2つのスレッドが互いに異なる順序でリソースをロックしようとしています。これにより、デッドロックが発生し、プログラムが進行せずに永久に停止します。
デッドロックの解決方法: デッドロックを回避または解決するためには、以下の方法があります:
- デッドロック回避: リソースの取得順序を統一することで、デッドロックを回避できます。
- デッドロック検出: デッドロックが発生した場合に検出するアルゴリズムを実装し、適切な処理を行います。
- リソースの割り当て方法の見直し: リソースをより効率的に割り当てる方法を見直すことで、デッドロックのリスクを軽減することができます。
- サイクル検出と解除: グラフ理論のアルゴリズムを使用して、リソース要求のサイクルを検出し、解除することができます。