グループ関数とマルチロー関数の違いと使い方


グループ関数とマルチロー関数は、データベースのSQLクエリで使用される2つの異なる概念です。それぞれの機能と使い方について説明します。

  1. グループ関数: グループ関数は、複数の行をグループ化して集計結果を返すために使用されます。一般的なグループ関数には、SUM(合計)、AVG(平均)、COUNT(個数)、MIN(最小値)、MAX(最大値)などがあります。これらの関数は、特定の列の値を集計して、グループごとに結果を返します。例えば、あるテーブルの"sales"カラムから各商品の合計売上を求める場合、以下のようなクエリを使用します。
SELECT product_id, SUM(sales) AS total_sales
FROM table_name
GROUP BY product_id;

このクエリでは、"table_name"テーブルを"product_id"でグループ化し、"sales"カラムの合計値を計算しています。結果は各商品ごとに合計売上が表示されます。

  1. マルチロー関数: マルチロー関数は、行と行の間で結果を計算するために使用されます。これらの関数は、1つの行の値と前の行の値との間で比較を行い、結果を返します。代表的なマルチロー関数には、LAG(前の行の値を取得)、LEAD(次の行の値を取得)、RANK(順位を計算)などがあります。これらの関数は、特定の列の値を参照して、行と行の間で計算を行います。

例えば、あるテーブルの"sales"カラムから前の行との差分を計算する場合、以下のようなクエリを使用します。

SELECT sales - LAG(sales) OVER (ORDER BY date_column) AS sales_difference
FROM table_name;

このクエリでは、"table_name"テーブルから"sales"カラムの値を取得し、前の行の値との差分を計算しています。"LAG"関数を使用して前の行の値を参照し、"date_column"で行の順序を指定しています。