AWS Lambdaの制限事項と対処法


  1. 実行時間制限: AWS Lambda関数の実行時間は最大で15分までと制限されています。長時間の処理が必要な場合は、処理を分割して複数のLambda関数を連携させることができます。

例:

# ロングランニングタスクを分割する例
def long_running_task(event, context):
    # タスクの一部を処理
    process_part1()

    # 別のLambda関数を非同期で呼び出し、残りのタスクを処理
    invoke_async_lambda('long_running_task_part2', {})

    return "処理中"
def long_running_task_part2(event, context):
    # 残りのタスクを処理
    process_part2()

    return "完了"
  1. メモリ制限: 各Lambda関数は最大3GBまでのメモリを使用できます。メモリ使用量が不足している場合、処理速度が低下する可能性があります。メモリ使用量を最適化するためには、不要なライブラリやデータの読み込みを避ける、メモリキャッシュを使用するなどの方法があります。

  2. ストレージ制限: 各Lambda関数には、一時ストレージとして最大512MBの領域が割り当てられています。大量のデータを処理する場合は、外部のストレージサービス(Amazon S3など)を利用することを検討してください。

  3. 同時実行制限: 各Lambda関数の同時実行数には制限があります。デフォルトでは、アカウント全体で同時実行数が制限されますが、必要に応じて制限を変更することもできます。

  4. 依存関係の制限: Lambda関数は独立して実行されるため、他のリソース(データベース、キャッシュなど)への接続が必要な場合は、適切なアクセス権限を設定する必要があります。

  5. コールドスタート: Lambda関数は長時間実行されない場合、コールドスタートの影響を受ける可能性があります。コールドスタートによる性能低下を最小限に抑えるためには、関数の定期的な実行やプリウォーム(事前に関数を実行しておく)を検討することが重要です。

これらの制限事項は、AWS Lambdaのパフォーマンスとスケーラビリティを最適化する際に考慮する必要があります。適切な設計とトラブルシューティングの手法を組み合わせることで、より効果的なサーバーレスコンピューティング環境を実現できます。