O(logn)の時間複雑度でモジュラ逆数を計算する方法


まず、モジュラ逆数の定義から始めましょう。与えられた整数aとモジュラスmに対して、aの逆元(モジュラ逆数)は、aと掛け合わせると1になる整数xです。つまり、(a * x) % m = 1となるxを求めることが目標です。

O(logn)の時間複雑度でモジュラ逆数を計算するためには、拡張ユークリッドの互除法と呼ばれるアルゴリズムを使用します。以下に、具体的な手順を示します。

  1. aとmを入力として受け取る。
  2. aとmが互いに素であることを確認する。互いに素でない場合、モジュラ逆数は存在しません。
  3. 拡張ユークリッドの互除法を使用して、aとmの最大公約数を計算します。同時に、aとmの係数xとyを見つけます。具体的なアルゴリズムの詳細は省略しますが、この手順はO(logn)の時間複雑度で実行できます。
  4. aの逆元xを求めるために、xを正の範囲内に調整します。xが負の場合、x = x + mとします。
  5. xがaのモジュラ逆数となります。

以下に、Pythonでのコード例を示します。

def modular_inverse(a, m):
    if math.gcd(a, m) != 1:
        raise ValueError("a and m must be coprime.")

    def extended_gcd(a, b):
        if b == 0:
            return 1, 0
        else:
            x, y = extended_gcd(b, a % b)
            return y, x - (a // b) * y

    x, _ = extended_gcd(a, m)
    x = (x % m + m) % m
    return x

上記のコードは、mathモジュールのgcd関数を使用してaとmが互いに素であることを確認し、拡張ユークリッドの互除法を実装しています。モジュラ逆数が存在しない場合は、ValueErrorが発生します。

この方法を使えば、O(logn)の時間複雑度でモジュラ逆数を計算することができます。このアルゴリズムは、大きな整数やモジュラスに対しても効率的に動作します。

以上が、O(logn)の時間複雑度でモジュラ逆数を計算する方法の解説です。このアルゴリズムを使えば、数学や暗号学の問題でモジュラ逆数を効率的に求めることができます。