- 静的キャスト(static_cast): 静的キャストは、コンパイル時に型の安全性をチェックするタイプキャストです。静的キャストは、暗黙的な型変換や一部の明示的な型変換を行うことができます。例えば、整数型から浮動小数点型への変換や、ポインタ型の変換などがあります。
int num1 = 10;
double num2 = static_cast<double>(num1); // intからdoubleへの変換
int* ptr = new int(5);
void* voidPtr = static_cast<void*>(ptr); // ポインタ型の変換
- 動的キャスト(dynamic_cast): 動的キャストは、実行時に型の安全性をチェックするタイプキャストです。動的キャストは、継承関係にあるクラスの間でのみ使用することができます。実行時にオブジェクトの型を確認し、安全にキャストすることができます。
class Base { ... };
class Derived : public Base { ... };
Base* basePtr = new Derived();
Derived* derivedPtr = dynamic_cast<Derived*>(basePtr); // ポインタ型の変換と型の確認
- constキャスト(const_cast): constキャストは、変数のconst修飾子を一時的に取り除くためのタイプキャストです。constキャストを使用すると、const修飾子を持つ変数を変更できるようになります。ただし、const修飾子の本来の目的は変更を禁止することなので、慎重に使用する必要があります。
const int num1 = 5;
int* numPtr = const_cast<int*>(&num1); // const修飾子の一時的な取り除き
*numPtr = 10; // 値の変更
- reinterpretキャスト(reinterpret_cast): reinterpretキャストは、異なるポインタ型や整数型の間でのキャストを行うためのタイプキャストです。reinterpretキャストは、通常の型変換よりも低レベルの操作を行うため、慎重に使用する必要があります。
int num = 10;
char* charPtr = reinterpret_cast<char*>(&num); // intポインタをcharポインタに変換
uintptr_t address = reinterpret_cast<uintptr_t>(charPtr); // ポインタを整数値に変換
以上がC++における主要な型変換の方法です。適切な型変換を使用することで、プログラムの柔軟性を高めることができますが、間違った型変換はバグの原因となる場合があるため注意が必要です。適切な型変換を行う際には、プログラムの意図や安全性を考慮し、適切なタイプキャストを選択してください。