ジョンソンのアルゴリズムを使った最短経路問題の解法


まず、ジョンソンのアルゴリズムの基本的なアイデアを理解しましょう。このアルゴリズムでは、最短経路問題を単一始点最短経路問題に変換します。具体的には、元のグラフに新たな頂点を追加し、その頂点から他の全ての頂点への距離を0とします。その後、この新たなグラフ上でベルマン-フォードアルゴリズムを実行することで、全ての頂点間の最短経路を求めることができます。

以下に、C++で実装する場合のジョンソンのアルゴリズムの基本的なコード例を示します。

#include <iostream>
#include <vector>
#include <climits>
using namespace std;
// ジョンソンのアルゴリズムを実装する関数
void johnsonAlgorithm(vector<vector<int>>& graph) {
    int V = graph.size();
    // 新たな頂点を追加する
    vector<vector<int>> modifiedGraph(V + 1, vector<int>(V + 1, 0));
    for (int i = 0; i < V; i++) {
        for (int j = 0; j < V; j++) {
            modifiedGraph[i][j] = graph[i][j];
        }
    }
// 新たな頂点から他の頂点への距離を0にする
    for (int i = 0; i < V; i++) {
        modifiedGraph[V][i] = 0;
    }
// ベルマン-フォードアルゴリズムを実行する
    vector<int> distances(V + 1, INT_MAX);
    distances[V] = 0;
    for (int k = 0; k < V; k++) {
        for (int i = 0; i < V + 1; i++) {
            for (int j = 0; j < V; j++) {
                if (distances[i] != INT_MAX && modifiedGraph[i][j] != 0 && distances[i] + modifiedGraph[i][j] < distances[j]) {
                    distances[j] = distances[i] + modifiedGraph[i][j];
                }
            }
        }
    }
// 結果の出力
    for (int i = 0; i < V; i++) {
        cout << "Vertex " << i << ": " << distances[i] << endl;
    }
}
int main() {
    // グラフの初期化
    vector<vector<int>> graph = {
        {0, 4, 0, 0, 0},
        {0, 0, -1, 0, 2},
        {0, 0, 0, 4, 0},
        {0, 0, 0, 0, -1},
        {0, 0, 0, 0, 0}
    };
    // ジョンソンのアルゴリズムを呼び出す
    johnsonAlgorithm(graph);
    return 0;
}

この例では、入力として5つの頂点からなるグラフを使用しています。最短経路の計算結果は、各頂点から他の頂点への最短距離が出力されます。

ジョンソンのアルゴリムは、負の重みを含むグラフでも正しく動作します。しかし、ベルマン-フォードアルゴリズムの性質上、負の閉路が存在する場合は検出することができます。

このように、ジョンソンのアルゴリズムを使用すると、最短経路問題を効率的に解くことができます。上記のコード例を参考にしながら、自分のグラフデータに適用してみてください。必要に応じて、グラフデータの読み込みや結果の出力方法をカスタマイズすることもできます。

なお、このアルゴリズムの実装には、ベルマン-フォードアルゴリズムの計算量がO(V^3)であるため、全体としての計算量もO(V^3)となります。したがって、頂点数が非常に大きい場合は計算時間が増えることに注意してください。