文法の左再帰性をチェックし、左再帰がある場合にはそれを除去するプログラムの作成方法


左再帰とは、非終端記号が自身で始まるルールのことを指します。左再帰がある文法は、再帰下降構文解析において無限ループを引き起こす可能性があります。そのため、左再帰を除去する必要があります。

まず、与えられた文法が左再帰を含んでいるかどうかをチェックするプログラムを作成します。次に、左再帰が検出された場合にはそれを除去する方法を示します。

プログラム例1: 文法の左再帰性をチェックする

def check_left_recursion(grammar):
    for rule in grammar:
        # ルールの最初のシンボルが自身と一致する場合、左再帰が存在する
        if rule[0] == rule[1]:
            return True
    return False
# テスト用の文法
grammar1 = [
    ['A', 'A'],
    ['B', 'C'],
    ['C', 'D'],
    ['D', 'E'],
    ['E', 'F'],
    ['F', 'G'],
    ['G', 'H'],
    ['H', 'A']
]
if check_left_recursion(grammar1):
    print("与えられた文法は左再帰を含んでいます")
else:
    print("与えられた文法は左再帰を含んでいません")

プログラム例2: 文法の左再帰を除去する

def remove_left_recursion(grammar):
    new_grammar = []
    for i, rule in enumerate(grammar):
        # ルールの最初のシンボルが自身と一致する場合、左再帰が存在する
        if rule[0] == rule[1]:
            # 新しい非終端記号を作成する
            new_nonterminal = rule[0] + "'"
            # 新しいルールを追加する
            new_grammar.append([new_nonterminal, rule[1] + new_nonterminal])
            new_grammar.append([new_nonterminal, ''])
            # 元のルールを修正する
            grammar[i] = [rule[0], rule[1] + new_nonterminal]
        else:
            # 左再帰でないルールはそのまま追加する
            new_grammar.append(rule)
    return grammar + new_grammar
# テスト用の文法
grammar2 = [
    ['A', 'A'],
    ['B', 'C'],
    ['C', 'D'],
    ['D', 'E'],
    ['E', 'F'],
    ['F', 'G'],
    ['G', 'H'],
    ['H', 'A']
]
new_grammar2 = remove_left_recursion(grammar2)
print("除去後の文法:")
for rule in new_grammar2:
    print(rule)

上記のプログラム例では、check_left_recursion関数は与えられた文法が左再帰を含んでいるかどうかをチェックし、remove_left_recursion関数は左再帰を除去します。

この記事では、他にもさまざまなアプローチがありますが、ここではいくつかの基本的な方法を紹介しました。左再帰性のチェックと除去は、プログラミング言語や文法の形式によって異なる場合がありますので、より複雑な文法に対してはより高度なアルゴリズムが必要になるかもしれません。

このブログ投稿では、文法の左再帰性をチェックする方法と左再帰を除去する方法について紹介しました。これらのプログラム例を使用して、自分の文法をテストしてみてください。左再帰性は、構文解析やコンパイラの実装において重要な概念です。文法の左再帰性を理解し、必要な場合には適切に除去することは、正しい構文解析を実現するために不可欠です。

ぜひ、この記事を参考にしてプログラムを作成し、文法の左再帰性についての理解を深めてください。