Pandasにおけるビューとコピーの生成ルールの解説


  1. ビューとコピーの概要: Pandasでは、データの一部を参照するビューと、データのコピーを作成するコピーの2つのオブジェクトが生成されます。ビューは元のデータと同じメモリ領域を共有し、コピーは新しいメモリ領域にデータを保持します。

  2. ビューとコピーの生成ルール: Pandasには、以下のようなルールがあります。

  • データの一部を選択する場合:

    • 単一の列を選択する場合、ビューが生成されます。
    • 複数の列を選択する場合、コピーが生成されます。
    • 行を選択する場合、常にコピーが生成されます。
  • データの一部を変更する場合:

    • ビューを介してデータを変更すると、元のデータも変更されます。
    • コピーを介してデータを変更すると、元のデータは変更されません。
  1. コード例: 以下に、ビューとコピーの生成ルールを示すコード例をいくつか示します。
import pandas as pd
# DataFrameの作成
data = {'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}
df = pd.DataFrame(data)
# 列の選択(ビューが生成される)
view = df['A']
# 列の変更(元のデータも変更される)
view[0] = 10
print(df)  # 変更が反映されている
# 複数の列の選択(コピーが生成される)
copy = df[['A', 'B']]
# 列の変更(元のデータは変更されない)
copy['A'][0] = 20
print(df)  # 元のデータは変更されていない
# 行の選択(常にコピーが生成される)
copy_row = df.loc[0]
# 行の変更(元のデータは変更されない)
copy_row['A'] = 30
print(df)  # 元のデータは変更されていない

このように、Pandasでは列の選択や変更においてビューとコピーの生成ルールが適用されます。正確なルールを理解することで、データの操作時に予期せぬ結果を避けることができます。