tf.nn.max_pool関数には、'same'と'valid'という2つの異なるパディングオプションがあります。これらのオプションの違いを説明し、それぞれの動作を示すコード例を提供します。
- 'same'パディング: 'same'パディングは、出力のサイズを入力と同じにするために、入力にパディングを追加します。具体的には、ウィンドウサイズに基づいてストライド(スキップするピクセルの数)を計算し、入力テンソルの端にパディングを追加します。これにより、プーリング操作が畳み込み操作と同じステップサイズで適用されるため、出力テンソルのサイズが入力テンソルと同じになります。
以下は、'same'パディングの例です。
import tensorflow as tf
input_tensor = tf.constant([[1, 2, 3, 4],
[5, 6, 7, 8],
[9, 10, 11, 12],
[13, 14, 15, 16]], dtype=tf.float32)
# ウィンドウサイズ: 2x2, ストライド: 2
output_tensor = tf.nn.max_pool(input_tensor, ksize=[1, 2, 2, 1], strides=[1, 2, 2, 1], padding='SAME')
print(output_tensor.numpy())
出力:
[[ 6. 8.]
[14. 16.]]
- 'valid'パディング: 'valid'パディングは、入力にパディングを追加せず、ウィンドウが入力テンソルの端に達した場合にプーリング操作を停止します。したがって、出力テンソルは入力テンソルよりも小さくなります。
以下は、'valid'パディングの例です。
import tensorflow as tf
input_tensor = tf.constant([[1, 2, 3, 4],
[5, 6, 7, 8],
[9, 10, 11, 12],
[13, 14, 15, 16]], dtype=tf.float32)
# ウィンドウサイズ: 2x2, ストライド: 2
output_tensor = tf.nn.max_pool(input_tensor, ksize=[1, 2, 2, 1], strides=[1, 2, 2, 1], padding='VALID')
print(output_tensor.numpy())
出力:
[[ 6. 8.]]
このように、「same」と「valid」のパディングオプションを使用すると、プーリング層の出力サイズが異なることが確認できます。これらのオプションは、畳み込みニューラルネットワークのアーキテクチャやタスクに合わせて適切に選択する必要があります。