まず、BOLAとは、ビジネスオブジェクトレベルの認可の欠陥を指します。これは、アプリケーションが適切な認可チェックを行わずに、ユーザーがアクセスできるべきではないビジネスオブジェクトにアクセスできる状態を指します。一般的な原因は、アプリケーションがオブジェクトIDなどのクライアントからの入力を信頼していることです。攻撃者は、IDを改ざんするなどして、本来アクセスできないオブジェクトにアクセスすることができます。
一方、IDORは、直接オブジェクト参照の脆弱性を指します。これは、アプリケーションがオブジェクトの識別子(ID)を適切に認証や認可せずに利用しているため、攻撃者が他のユーザーのデータやリソースにアクセスできる状態を指します。一般的な原因は、オブジェクトIDが推測可能または予測可能であることです。攻撃者は、他のユーザーのデータを取得したり、編集したりすることができます。
これらの脆弱性を防ぐためには、適切な認可とアクセス制御の実装が必要です。以下に、それぞれの対策とコード例を示します。
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BOLAの対策:
- ユーザーの権限を適切に管理し、ビジネスオブジェクトへのアクセスを制限します。
- クライアントからの入力を信頼しないようにし、常にサーバーサイドでの認可チェックを実施します。
例: Pythonでのコード例
# オブジェクトの認可チェック def check_object_authorization(user, object_id): if user.has_permission(object_id): # アクセスを許可する処理 return True else: # アクセスを拒否する処理 return False # 使用例 user = get_logged_in_user() object_id = get_requested_object_id() if check_object_authorization(user, object_id): # オブジェクトへのアクセスを許可する処理 ... else: # オブジェクトへのアクセスを拒否する処理 ...
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IDORの対策:
- セッションやトークンを使用し、正当なユーザーであることを確認します。
- 直接的なオブジェクト参照を避け、間接的な参照方法を使用します。
例: PHPでのコード例
// オブジェクトの識別子のチェック function check_object_reference($user, $object_id) { if ($user->isAuthorized($object_id)) { // アクセスを許可する処理 return true; } else { // アクセスを拒否する処理 return false; } } // 使用例 $user = get_logged_in_user(); $object_id = get_requested_object_id(); if (check_object_reference($user, $object_id)) { // オブジェクトへのアクセスを許可する処理 ... } else { // オブジェクトへのアクセスを拒否する処理 ... }
以上の対策とコード例を参考にすることで、BOLAとIDORの脆弱性を防ぐことができます。セキュリティ上の問題を回避し、ウェブアプリケーションのデータとリソースを適切に保護するために、適切な認可とアクセス制御の実装が重要です。